〜ピンポーン〜

いつの間にか寝ちゃっていたみたい。
あの後すぐ寝ちゃうなんて、
自分が嫌になる。なんで寝れちゃうの?

はぁ。と大きなため息が出る。

〜ピンポーン〜

あ、そうだ。
呼び鈴で起きたんだった。
時間を見ると、
あれから4時間も経っていた。

携帯がピコピコ光っていたけど、
呼び鈴がうるさい。

はい。どちらさま?

チェーンをかけたままドアを開けた。


は?


「忘れ物届けにきました〜。」

チェーンの隙間から顔を出す優くん。

「え?は?なに?」

状況が理解出来なくて、
急いでドアを閉める。

あれ?なんで部屋番号知ってるの?
あたし教えた?
いや、そんなはずない。
帰り送ってもらったけど、
この部屋は外から見えないはず。
部屋に戻り携帯を手に取る。

電話して帰ってもらおう!
そう思ったけど、
番号なんて聞いてなかった。

携帯の不在通知とメールが来ていたが、
とりあえず不在通知を見た。

結衣からだったので急いで掛け直す。

「ちょ、ちょっとなんでか知らないけど、優くんが呼び鈴ならしてる。
部屋知らないはずなのに、
届け物だって。
なにこれ?
意味わかんない。」

早口で、
わけのわからない事を言ったと思う。

「ごめん!
優ちゃんが忘れ物したから、
凛と連絡とりたいって剛から連絡きて、
何度電話しても出てくれないし、
メールで送ったんだけど見てくれてない?
連絡とれなかったから、
優ちゃんに、
凛の携帯教えようと思ったんだけど、
本人からしか連絡先は聞きたくない!
って言って、
凛の家の前で待ってるって言ってて。
凛が心配になってきて、
あたし凛のとこに行こうとしたら、
優ちゃんが部屋の番号教えてって。
俺が見てくるから。
そう言うから教えちゃった。
ごめん。落ち込んでる時に。」

結衣心配してくれてたんだ。
今まで寝ちゃってたなんて言えない。

「そうだったんだ。心配ありがと。」

それだけ言って切り、
もう一度玄関へ向かった。


結衣が優くんに、
部屋を教えたと聞いて驚いた。

廉が前に、結衣に聞いたけど、
教えてくれなかったって言ってた。

なんで?
そう思ったけど、
心配してくれてるんだと言い聞かせる。

あたしが寝ていたから悪いんだ。
そう思い、
チェーンを外しドアを開けた。