廉と別れ、結衣に電話した。
「もしもし結衣?
傷付けてきたよ。
傷付けたのあたしなのに、
廉の方が辛いのに、
なんで泣いちゃったんだろ?
廉をどれだけ利用しちゃったんだろ?
あたしの事、
本当に大切にしてくれていたのに、
なんであたしが傷付けてるんだろ?
傷付く方の気持ちがわかるくせに。」
結衣にちゃんと話そうとしたけど、
涙が溢れて止まらない。
「廉くんに謝る事できた?
廉くんは、
本気で凛を好きだったって事が、
わかったって事だよね?
自分がしてきた事が、
ダメだったってわかったんでしょ?
廉くんを傷付けちゃって、
苦しいんでしょ?
前にね?廉くん言ってたよ?
凛が、自分のしてる事が間違ってるって、気付けた時、
俺は振られるんだよね。って。
離れないなら、
気付かないでって思っちゃうけど、
凛が幸せになれるなら、
早く気付いて欲しいって。
あたしに笑う顔と、
廉くんに笑いかける顔が違うんだって。
だけど優しい心を持ってるんだって。
ちゃんと見てくれてたんだよ?
信じていい人だったんだよ廉くんは。」
結衣の声が悲しそうだった。
「あたしの笑顔って、
そんなに嘘っぽいのかな?
どんだけ嫌な思いしたのかな?
なのに、
なんで最後まで優しいのかな?
苦しい思いさせといて、
あたしは温かい心をもらってたんだよね。
なのに、一度も好きと言えなかった。
嘘でも言えなかった。
いや、嘘だからか。最低だよね。」
「もう今さら後悔しても遅いでしょ?
凛の事本気で愛してくれる人がいた、
ってわかったんだから、
これからそういう男の人を探しなさい。
だから泣かない!
廉くんも泣かれたくないはずだよ!
凛は優しい子なんだからね?」
ありがとう。
そう言いながら、
流れる涙を止めようと上を向いた。
見上げた空は、とても青く眩しかった。
綺麗な真っ白な雲が浮かび、
とても澄みきっていた。