「凛?
俺はお前と付き合って幸せだった。
笑ってる顔が好きだった。
けど、
悲しい笑顔はこれからしちゃだめだよ?」

「廉、ありがとう。
廉と一緒にいると楽しかった。
優しくて温かい場所だった。
幸せでした。
たくさん傷付けてごめんね。」

そう言い、あたしは廉から離れた。

化粧の意味なんてないくらいに
ボロボロの顔を見て廉が笑う。

「初めて泣き顔見たけど、
そのまま帰ったらヤバいよ!」

笑いながら涙を拭いてくれた。

「ブスすぎて笑えるしょ?」

「笑ってる方が可愛いけど、
泣き顔も可愛いよ。」

流れる涙を拭きながら優しく言う。

「廉、幸せになってね?
あたしの事を思い出しても、
なんとも思わなくなる事を願ってる。」


「お前が言うなよ!
俺は思い出す度に凛を恨む事にする!
なんて、嘘。
お前も幸せになってよ?
好きな男出来る事を願ってる。

俺はお前が本当に好きだったよ。
自分に自信持ちなよ!
思ってる以上に可愛いし、
魅力があるんだからね。
俺が言うんだから間違いない!

凛?元気でいてね。バイバイ。」

あたしの涙をもう拭う事はなく、
背中を向けたまま廉が言う。

「うん。ありがとう。バイバイ。」

それ以上言う事が出来ずに、
あたしは廉の元を離れた。