「廉、なんで怒らないの?
あたし最低だよ?
好きって言われる度に、
罪悪感しか出てこなかった。
別れようって言う機会は、
たくさんあったのに、
あたしは廉の優しさに
甘えてただけなんだよ?
自分がこれ以上、
イヤな女になりたくなくて
言えなかったんだよ?
もっと、怒ってよ。」

優しく言葉を選びながら言う廉を、
これ以上見る事が出来ずに、
あたしは言った。
だって、
優しい言葉を言ってくれてるのに、
顔が悲しさで溢れていたから。

「怒ったら好きになってくれんの?」

悲しそうに、苦しそうに言った。

ごめん。
そう言うと、
あたしの頭を優しく大きな手で撫でた。

廉は付き合ってから、
今まで1度も怒った事がない。
いつも優しくて、大きな愛で、
あたしを包んでいてくれていた。

初めから好きになれないかもと言われ、
どんな気持ちだったのかな?
苦しくて、切なくて、悲しくて、
だけど嬉しいってどういう意味?
意味なんてないよね。
本当は、ただ悲しませてただけだよね。
ごめんなさい。
優しい廉に甘えて、
たくさん傷付けてごめんなさい。


でもね?勝手なんだけど、
廉と付き合えてあたしは幸せでした。