「でも、凛ちゃんだって、
今そんな曲がっちゃってるけど、
本気で好きな人がいて、
何かあったからそうなったんでしょ?
本気で好きになれた奴って、
どんな奴だったの?」
「え?
高校生の頃から付き合ってた奴。」
「あーあいつか。」
そう言い黙る優くん。
「3年付き合ってたんだけど、
何回浮気されたんだろ。
なんかね?
あの頃のあたしは、
浮気されても、
自分の所に帰ってくればいいや。
なんて思ってたんだよね。
大人じゃないくせに、
大人ぶってたんだろうね。
あいつもそれを知ってるから、
好き勝手でね、
結局耐えきれなくなって別れたんだけど、別れてからメールや電話がすごくて、
怖くなっちゃった。
あんなに好きだった人のはずなのに、
怖くてどうしようもなかった。」
あたしの過去は大した事ない、
ちっぽけな事かもしれないけれど、
あたしの心の中では
大きくしこりの様に固く居続ける。