「あたし、
今初めてちゃんと優くんの顔見たかも。」
はにかんだ顔でこっちを見てる。
「恥ずかしいからやめろ。」
意外な反応で笑ってしまった。
初めてちゃんと見たと今さら言うあたしを怒らないんだね。
「ねーナンパ好きなの?」
「したことねーよ。んなもん。」
「嘘〜!もったいない。
じゃあモテるでしょ?
女に不自由しないぜ!みたいな?」
「バカか!俺は一途なの。
自分の好きな女しか女に見えねえ。」
真面目な答えをくれた優くん。
そっか、
あたしの事も男友達みたいな感覚で、
励ます為に抱きしめてくれたんだ。
なのに、
軽いとか思ってごめん。と心の中で思う。
なんだかさっきの自分が恥ずかしくなる。自意識過剰。
「じゃあ彼女になった人は幸せだね。」
「それはわからないけど、
絶対に浮気しないし、裏切らない。
彼女を愛しまくるよ。」
「男の絶対は当てにならない。」
冷めた事を言うあたし。
「さすが凛ちゃん。性格が、、、。」
「捻くれて曲がってますよ。」
優くんが、
一瞬言うのを躊躇ったので自分で言った。