「わかった。真剣勝負ね。」
「嘘でしょ?」
「本気で勝負するから、
勝ったら友達になってね。」
ダメだ。勝つしかない。
最終決戦!
お互い無言で自分の花火を見守る。
そういえば、
あたしは優くんに会ってから、
1度もちゃんと顔を見ていない。
横を見ると真剣な顔で花火を見ている。
意外にも整っている横顔だった。
こんな顔してたんだ。そう思った瞬間、
「やったー!俺勝った!」
顔なんか確認してたら負けてしまった。
「凛ちゃんよろしくお願いします。」
「お、お願いします。」
こうしてあたし達は友達になった。
この時、
あなたは嫌な女だって思ったよね?
どうしてこんな勝負したの?
友達になりたくない。
そう思っていたあたしは、
あなたにはどう映っていたの?
あなたなら気付いていたよね?
でも、勝ってくれてありがとう。
今ならそう素直に言える。