「ごめん。このまま聞いて?」
そう言うと同時に、
あたしを後ろから抱きしめて来た。
「凛ちゃん、
俺は真っ直ぐだけど、
キレイな心は持ってないよ。
こうやって、
凛ちゃんを抱きしめたくて仕方なかった。
でもそれはね?
凛ちゃんに魅力があるからだよ。
あたしなんか、なんて言っちゃダメ。
彼氏だって、
凛ちゃんが良くて付き合ってるんでしょ?
凛ちゃんの良さ知ってるから、
離れないでいるんでしょ?」
そう言うとあたしから離れた。
「凛ちゃん別れたら俺に教えて?
頑張った会やろーよ!
少しでも凛ちゃんが、
本音で話してくれたの嬉しかった。
愛想笑いは疲れるでしょ?
周りに気を使い、
顔色伺ってばっかじゃ疲れちゃうでしょ?
俺には、
愛想笑いも気を使わなくてもいーから、
頑張った会やろうよ。
あ、でも頑張った会じゃおかしいか?
いや、
でも頑張って言ってくるんだし。
ま、なんでもいいから、会おう!」
そう笑う優くんが少し大人に見えた。
あたしの涙は、
さっき抱きつかれた時に止まり、
今は頭の中がハテナだらけ。
優くんは、
優しいけど言葉がストレート。
あたしは、言葉を深読みしてしまう。
自分を偽る事なく男の人に接する事なんて出来るのかわからないけど、
気を使わなくても良いなんて、
はじめて言われた。