「凛ちゃん。
彼氏と別れて俺と付き合って?」

は?何を言ってるの?冗談?

空が少し明るくなってきたので、
優くんの表情が少しだけ見える。

え?真剣な顔してる?

「はいダメ〜!
一つじゃないじゃ〜ん。」

真っ直ぐな優くんを見ることが出来ず、
また真剣に返すことも出来ずに、
笑って誤魔化した。

「いや、マジで言ってるから。
笑うなよ。真剣に答えてよ。」

「いや、でも、、、。」

言葉が見つからない。
優くんを見ることが出来ない。

「凛ちゃん俺は本気だよ!
高校生の頃に、
凛ちゃんの笑顔に癒された。
あの頃から俺は、、、。」

「あの頃とは違う!
今は楽しくなくても笑う。
笑っていれば、
人を不愉快にさせる事がないから。
優くんはなんで笑ってるあたしに、
あの頃のあたしを重ねるの?
なんで笑うなって言うの?
今のあたしをなんで否定するの?」

他人と比べられるならわかるけど、
なんで過去のあたしと比べるんだろう。

あの頃どうやって笑ってたの?
今のあたしはそんなに醜いの?
笑わなければいいの?

何が何だかわからなく、
溢れてくる涙の訳もわからない。

なんでこの人の言葉で泣いてるの?
なんでこの人の前で泣いてるの?
なんで涙が止まらないの?