「凛ちゃん勝負しよ?
負けたら言うこと聞くって事で!」
勝手に始まった線香花火勝負。
一回戦はあっけなくあたしの勝ち。
「じゃあ、後でジュース買ってね!」
二回戦目は、
お互い必死に花火を見つめ、
言葉もなく静かな波の音だけが響く。
「あっ!」
またあたしの勝ち!
「じゃあ、裸足になっていい?」
砂は入るし、ヒールが高く、
座ってるとプルプルしてしまう。
「ん?
それって俺に要望じゃないじゃ〜ん。」
「だって勝手に脱いで足汚れたら、
車が汚れちゃうじゃん。だからいい〜?」
「はい!汚しまくって下さい!」
あははと笑うあたしに、
三回戦は負けねからな〜と必死の優くん。
三回戦目、
さっきとは違い、
面白い事ばかり言ってくる優くん。
「あはは〜!あっ。」
戦略に負けてしまったあたし。
「ちょっと〜ズルくない?」
「ズルくない!俺だって言いたいし〜。
俺なんて喋ってたのに、
落とさなかったし〜。
だからい〜よね?ね?」
と、何故か駄々っ子の優くん。
「はいはい。わかりました負けましたよ。
で?なんでしょ〜か?」
駄々っ子に負けて、
優くんが何を言うのか待つ。