「結衣〜?」
トイレに行くと鏡とにらめっこしてた。
「凛〜嫌な思いさせてごめんね。
あたしね、
今日偶然剛に会えて正直嬉しかった。
もう二度と会えないと思ってたから。
これって運命って思っちゃった。
凛が嫌な思いしてるのわかってるのに、
帰るって言えなかった。ごめん。」
「気にしないで。
あたし大丈夫だから。
結衣あたしの事なんて気にせずに、
剛くんとちゃんと話しなよ。
結衣も剛くんも楽しそうだよ。」
そう言うと照れた結衣は、
あたしに抱きついてきた。
早く行こう〜と2人で手を繋ぎ、
2人がいる所へ歩き出した。
この日からあたし達は、
結衣は剛くんに。あたしは優に。
ゆっくりだけど真っ直ぐに歩き出した。
最悪な出会いから始まったあたし達。
まさか、恋に落ちるとは。
この時は思いもしなかった。
あの時あなたはどんな気持ちでしたか?
あたしの薄っぺらい言葉や笑顔に、
何を思いましたか?
あたしは、
嫌な奴としか思いませんでした。
本当、それだけでした。