読まなければ良かった。

涙が溢れて止めることが、
立っていることが出来なくて、
崩れ落ちながら手紙を握っていた。

小さな袋を開けると、
思っていた物がそこにあった。

小さな箱を開けると、
大きな光る石がついた指輪が入っていた。

一生幸せにします。

メッセージカードも、
その中に入っていた。

きっと、婚約指輪だったんだ。

何度も指輪を貰ったけれど、
ペアリングではない、本格的な指輪。

「どうしていないの?
なんで、優が隣にいないの?
指輪じゃなく優がいてよ。
物なんかいらないよ。
優がいてくれたら、
それだけでいいのに。」

昨日言いたかった言葉は、
誰もいない部屋に響いていた。

あたしも、優さえいれば良かった。
離れたくなかった。
でも、あたし達は大人だから。
責任は互いにとらなければいけない。
どう足掻いたって、
あたし達は離れなければならない。

浮気だけなら別れても、
また戻る事が出来たかもしれない。

優だから許せないとか、
そんな事言っても、
あたしはきっと優を許した。

なんて、
あたしは許さなかったかな?

後からなら、
色んな事が言えるもんね。

でも、きっと、
こんなにも重たい思いが、
今も居続ける事はなかったよね。

なんてね。