〜バタン〜
優が部屋を出て行ったことを確認した後、
ベランダに出て、
帰って行く姿をただ見ていた。
涙が溢れてきた。
泣くのを我慢していたあたしは、
止まることない涙を拭う事なく、
空を見上げながら泣き続けた。
部屋に入って、
泣きながら優の物を纏めた。
お揃いの物は、
マグカップから指輪までたくさんあった。
その物達は箱にしまい、
クローゼットの奥に投げつけた。
優の私物を纏めてみると、
大きな紙袋3個にやっと収まる位あった。
優の所にも、同じ位あたしの私物がある。
これは返さなければならないよね。
写真やプリクラ達は、
1つに纏め、大きな封筒に入れ、
クローゼットの奥にまた投げつけた。
なんでこんな事をしているんだろうと、
虚しくなり泣き喚く。
別れるって思っていたけど、
あの現実を受け入れる事が出来ない。
優はなんで避妊しなかったの?
いや、優はちゃんとしてたよね?
あたしにだってしてたのに、なんで?
酔っていたから、覚えてないから、
本能でそうしてしまったの?
理性がどこかに、いってしまってたの?
誰に聞いたって、
答えが見つからない事を、
考えては泣いていた。
夢じゃないかと、
頬を強くつねってみたり、
顔を叩いてみたりして、
夢であって欲しいと願った。
つねったり、叩いたりした所より、
心が痛い事が現実だとわかり、
胸を押さえて泣いていた。