「おっせーよ!」
外に出た瞬間、目の前にあいつが。
「すいません。化粧直していたので。」
ビックリしすぎて、顔が引きつる。
「さっきはごめんね。
性格曲がってるとか言って。
本当にすいませんでした。」
さっきとは打って変わって、
素直に頭を下げて謝っている。
「いや、あなたは、
間違った事なんて言っていないですよ。
ムカついたのは、
本当の事を言われたからだと思いますし。
ただ、初対面の方にあんな事言われ、
ついイラっとしちゃいまして。
こちらこそ、会った事あったのに、
覚えてなくてすいませんでした。」
さっきまで
あいつ無理!と思っていたのに、
素直に謝られたからか、
あたしも素直に謝れた。気がする。
「いや、本当ごめん。
俺はなんも知らないのに、
凛ちゃんを、
かなり嫌な気持ちにさせちゃったし。
だけど、、、。」
「もーいいので席に行きましょう。」
何かを言おうとしてたけど、
これ以上謝られると、
あの時を思い出してしまいそうだったのであたしは歩き出した。
この時、
あたしはあなたが言おうとしてた事が、
なんなのか気にもしませんでした。
あなたの事、何も知りませんでした。
知りたいとも思いませんでした。