「優?高城さんに連絡しなよ?
仲良くね?
幸せになってね?
今までありがとう。バイバイ。」

優に背を向けて、
あたしは辛い現実を言った。

最後なんだから、
後ろなんて向きたくない。
けど、顔を見てなんて言えない。
あたしのこの顔を見たら、
嘘をついてると、わかってしまう。

「凜?ありがとう。
俺は、
やっぱり幸せになってなんて言えねえや。
誰にも触れられたくない。
俺以外を、
好きだと言わないでと思ってしまう。

なんて、ごめん。

凜、愛してるよ。


、、、バイバイ。」


最後まで背を向けたまま、
優に答えることもなく、
泣くのをただ我慢していた。

最後まで優しい言葉を投げかけた優。

でもね?
愛してるは、もういらないよ。

愛されても、もう意味がない。

優は最後まで、
あたしに幸せになってねとは、
言わなかった。

現実を受け入れられない優は、
あたしの幸せさえ願わなかった。

それなのに、
あたしは、
高城さんと幸せになってと、
あたしには、運命の人がいると、
現実を受け入れたふりをしていた。

本当は、
幸せなんて願ってない。
心の汚いあたしは、
不幸になれとさえ思っていた。

けど、言っても意味がない。
そう思って、言葉達を飲み込んでいた。

飲み込まず、優に泣き縋り、
一緒に高城さんの所へ行けば良かった。

現実をちゃんと見て、
ちゃんと受け入れてから、
別れたら良かったのかな?

でも何をしたって、
結局、結末は同じだよね?

そうだったよね?