「全部消したから。
メールも面倒だから、全消去しちゃった。ごめんね。

優?
今までありがとう。ばいばい。」

携帯を渡しながら、
泣いてる優を最後に抱きしめた。

強く抱きしめ、優の涙を拭った。

「俺の事、もう好きじゃない?」

「うん。もう過去だよ。」

悲しい嘘を言いながら、
優の事を抱きしめるのをやめた。

「そんな顔して言わないで。
凜は嘘つけないんだから。

凜?愛してるよ。
最後に凜も愛してるって言って?

俺、その言葉を一生忘れないから。

その言葉だけで、生きていくから。

そしたら、思う事もやめる。前に進む。

だから、言って?」

強く抱きしめながら、
悲しい笑顔であたしに伝えている。

そんな優の顔を見る事が出来なくて、
胸に顔を埋めた。