「あっちに剛もいるから。」
そう言った瞬間、結衣の目が変わった。
あたしこの人嫌だけど、
結衣のこの顔みたら嫌なんて言えないよ。
「じゃあ一緒に飲みましょう!」
あたしはまた笑顔を作り言った。
「凛、大丈夫?あたし全然いいよ?
無理しなくていーから。」
あたしの顔を覗き込み小声で言う結衣。
大丈夫‼︎
結衣ずーっと会いたかったでしょ?
結衣に後悔して欲しくないもん。
「本当、平気だから〜!
結衣が横にいるから大丈夫‼︎」
絶対に顔がひきつっていただろう。
けど、
あたしは結衣の背中を押してみたい。
今まで散々支えてきてもらったから。
「トイレ行ってから行くから、
先に結衣は行ってて?」
あたしは急いで席を立ち、
トイレまで走っていった。
どーしよ。
あたしあの人苦手。いや無理。
だけど結衣の為。
あたしは化粧を直し、
笑顔を作りトイレから出た。