「なら、中にどうぞ!」

優を見る事なく先に部屋に入った。

落ち着け!
そう自分に言い聞かせても、
落ち着く事は全く出来ない。

優の顔が見れない。

裏切り者!
そう思って見てしまいそう。
そう思いたくないのに。

優はそんな軽くない!
あたしの事しか好きじゃない!
永遠の愛があると何度も言ってた!
別れが来るなんて考るなと言ってた!
あたしさえいればいいって言ってた!

全部ぜーんぶ本当だって思ってるのに、
本当だってわかってるのに、
本当なのかと疑ってしまう。

その言葉達さえも信じられなくなるのは、悲しすぎる。

お願い。急がないで。焦らないで。
信じてと何度も言わないで。

じゃないと、
きっとあたしはあなたを突き放す。

言わなくていい事まで言い、
信じてた言葉さえ疑ってしまう。