暫く泣いた後、
あたしは久しぶりに電車に乗り、
マンションまで帰ってきた。
優のマンションの前を通らない為に、
電車に乗るなんて。
マンションの前にいない事を確認して、
エレベーターに急いで乗った。
喧嘩すると、早く仲直りしたい優は、
よくマンションの前で待っていた。
いなくてよかった。
今、話したら感情的になってしまう。
そんな事を思っていると、
エレベーターはあたしの階に着いていた。
「凜!!」
あたしの部屋の前からあたしを呼ぶ声が。
なんでここにいるの。
あたしが逃げるから?
でも、本当に今は無理だよ。
「ごめん。凜に会いたくて。」
「いや、ごめん。あたしは会いたくない。今は話したら感情的になっちゃう。
だからまた連絡するから。」
「凜、感情的になってもいいから、
俺は今、話したい。
思ってる事言っていいから。
お願い。一緒にいたい。」
優が引き下がらない事に苛立った。
けど、今思うと、
今まで一度もそんな事なかったよね。
あたしが嫌だと言ったら、
嫌な事はしたくないから!
そう言ってくれてた。
本当に話したいから、
引き下がらなかったんだよね。