土手に座り1人泣いていた。
なんの涙なの?
悔しいの?悲しいの?淋しいの?

優を信じれない事が、苦しい。
何故信じられないのか悲しくなる。
さっきまで信じていたのに。

今日会ったばかりの高城さんの方を、
信じてしまう自分が嫌になる。

四年間なにも成長しなかったのかと、
嫌になる。

あたしは優を信じて今日まできた。

それなのに、
偽っていたのかと疑う自分が嫌。

そんな事ないってわかってるはずなのに。
あたしはもう優を信じられない。

誠実な優の裏切りは許せない。


あたしも悪い。

愛されている事に安心しきっていて、
疑う事を忘れてた。
いや、それはいい事か。

なんでもっと早く、
結婚を決めなかったんだろ。

なんで同棲をあんなに拒否したんだろ。

なんで優の変化に、
少しでも気付かなかったんだろう。

そういえば三ヶ月前のその日。
寝る前に電話したんだった。
いつもはすぐ出るのに出なかった。
寝ちゃったのかと思って、
あたしはメールもせずに寝たんだった。

朝早くに電話がきたけど出れなくて、
お昼休みに電話したら、謝ってたっけ。

飲みすぎて寝ちゃったごめん。
その言葉を疑いもしなかった。

今まで一度もそんな事なかったのにね。

あたしが悪かったな。

信じる事は簡単だけど、
裏切られた時の、
この感じが耐えられなくて、
信じない様にしてたんだった。

深い闇に吸い込まれていくこの感じ。

自分の感情が抑えきれなくなる。
澱んだ感情に支配されていく。