「優は覚えてないと、
言い張ってるんだよね?

それはありえない気もするけど、
当事者の2人にしか、
事実はわからない事だからね。

あたしが別れるって言ったら、
優は高城さんの所に行くと思う?

優はあなたを好きじゃないよ?

あたしが許すか許さないかは、
あなたを選ぶか
あたしを選ぶかじゃないよ?

話してくれてありがとう。
けど、二度とこんなくだらない事で、
電話してこないでもらえます?」

大人な対応と思ったけど、
ものすごく嫌な言い方をしてしまった。
冷静に嫌な言葉を選んでいた。

「あたしは優が好きです。
あなたと別れたら、
絶対に好きになってもらいます。
だって一目惚れって、
運命の出会いなんですから。
あたしは運命を信じますから。」

優と同じ様な事を言っていた。

「優もあたしに一目惚れして、
勝手に運命感じて、
初めはあたし嫌だったのに、
知らぬ間に好きになってた。
もしかしたら、
高城さんもそうなれるかもね。
運命信じれるなんてすごいね。」

褒めてるのか貶してるのかあたしは。

「じゃあ信じて別れるの待ちます。
いや、
別れる前から優を奪いにいきますから。」

「はい。どうぞ。」

そう言って電話をきった。

なんなのこの電話。
宣戦布告ってやつ?

まあ、
運命感じて好きなのは誰も悪くないよね。

この人は関係ない!いや、関係ある!

知らなくてもいい事聞いた。

なんで電話に出たんだろ。
なんで優の電話に出なかったんだろ。

今さらそんな事思っても遅いか。