「もしもし。
高城ですけれど、西山さんですか?」
「はい。なんでしょうか?」
「先程はすいませんでした。」
え?泣いてる?
勘弁してよと思いながらも、
「こちらこそすいません。
今時間は大丈夫ですか?」
なんでこの人を気遣ってんだろ?
そう冷静に思っていた。
あたしがそう言うと、
泣きながら優との事を話してきた。
出会ったのは三ヶ月前。
だけど高城さんは、
一年以上前から優を知っていた。
一目惚れをして、
優の先輩に頼み込んで
やっと会う事が出来て嬉しかった。
飲み会の一週間前に先輩から、
会える事を聞かされた。
優は高城さんが自分に、
一目惚れしたと知ってるのに会った。
その日は先輩が途中で帰ってくれて、
2人で飲んだ。
話が盛り上がり、
飲むペースも早くなり、優が潰れた。
ホテル行く?と聞いたら頷いたから、
一緒に手を繋ぎホテルに行った。
ホテルに入るとすぐキスされた。
そしてそのままエッチをした。
けどエッチの時、
高城さんの事をあたしと間違い、
凜と呼んでいた。
一度も自分の名前を呼ばれなかった。
けど愛してると何度も言われた。
朝になり、キスをしてると起きて、
ものすごい驚き、
何も覚えてないと頭を抱えていた。
全部話したけど信じてもらえなかった。
付き合いたいから、毎日連絡をしていた。
あたしがいるからと断られた。
だから別れて下さい。
一目惚れだけど本気です。
よくこんな話を、
あたしは黙って聞いていたなと思う。