「こんにちわ〜。
もし宜しかったらお伺いいたします。」
声の方に振り向いてみると、
小さくて可愛らしい、
女のプランナーさんだった。
「あれ?優?
ここにしたの?いつにしたの?」
ん?誰?
今、優って呼んだよね?
「はじめまして。
優くんの友人の高城と申します。」
「はじめまして。西山と申します。」
とりあえず挨拶してみた。
横を見ると優が下を向いたままだった。
握ってる手に力が入っていたので、
あたしは手をそっと離した。
「優どうした?大丈夫?」
そう言って顔を覗き込むと、
今までに見た事ない位、青ざめていた。
なんなんだよ。この2人は何?
「お手洗い行ってきたら?」
何かあると思ったあたしは、
嫌だという優を、
強引にトイレへ向かわせた。
「高城さん、すいません。
優とはどんな知り合いですか?」
「つい最近知り合って仲良くなりました。後は優くんに聞いてもらえます?」
何故か上からの口調にイラついてしまう。
「ああ。聞いてます。」
そうカマをかけてみた。
「え?彼女に言ったの?
酔ってたって言ってました?
あたしは、本気ですから!」
は?何を言ってるの?
訳のわからないあたしは、
口があいていたに違いない。
「え?知らない?」
その声で我にかえった。
「すいません。
あたし優くんが好きです。
こんな所で言うなんておかしいのは、
承知の上です。
酔ってる優くんに迫った事も、
悪いとは思っていません。」
「奈々ちゃん!」
そう言って、優はあたしの前に立った。
奈々ちゃんって誰?
優は何したの?
なんであたしの前に立ってるの?
「俺は凜以外好きじゃない。
奈々ちゃん、俺断ったよね?
なんで凜と勝手に話してるわけ?
何を話したんだよ!」
「あたしは優が好きなんだよ?
あの事だって彼女に話したんでしょ?」
「なんの話だよ?
俺はお前なんか好きじゃね〜んだよ。」
優はあたしには怒った事ない声で、
目の前にいる女の人を怒ってる。
あたしが彼女だよね?
「うるさい!帰る!」
理解出来ない。
何?
あたしは式場見に来たんだよね?
この場にいたくないのでとりあえず帰る!
そう思い2人を見る事なく歩き出した。