「ギュッってして?」

まさかそんな事言われるとは、
思ってなかった優くんは驚いている。

何も言わない優くんを、
見る事が出来なくて後ろを向いた。

なんてこと言ってるんだろ?
でもこれでドキドキしなかったら、
あたしは優くんから離れる。
ちゃんと無理だと言う。
わかってもらえるまで何度でも言う。
もうあんな事はしない。

少しでもドキドキしたら、
あたしは今日から優くんをちゃんと見る。
真っ直ぐに、、、。


「凛ちゃん。」

そう言うと後ろからギューッとされた。

優くんの腕を、両手で優しく掴む。

「どうしたの?
俺から離れようとしてる?
俺は凛ちゃんだけだよ?
本当に大好きだよ。
一生凛ちゃんだけでいい。
凛ちゃん、、、愛してるよ。」



「優くん。あたしね?
自分の気持ちもわからないの。
この間は、
優くんの事好きでも嫌いでもなかった。
なんとも思ってなかったのに、
毎日メールして今日会ってみたら、
この間とは違った。
でも、何が違うのかわからなくて。
だからね?
ギュッってされて、
ドキドキしなかったら、
離れようと思ってしてもらった。」

「で?どうだった?
俺に抱きしめられてどう思った?」


顔は見えないけれど、
不安そうな声があたしの心に響く。
抱きしめてる腕が震えてる気がした。