「お疲れさま〜!」

そう言いビールで乾杯した。

何故かソファーに2人で座っている。
普通は対面に座らない?

「プリクラどーする?」

「その辺に貼る!」

この部屋にプリクラ貼ってあったら、
かえって不自然でしょ。

「貼るの?やめなよ!
なんかこの辺に置いておけば?」

そう言いガラスのテーブルの下に ある、
お洒落な物を置く場所を指さした。

「ダメ!見えるとこに貼るの。」

そう言ってビールを飲んだ。

そういえば、
優くんがお酒を飲むのを初めて見る。

「お酒飲むんだね!」

当たり前の事を言うあたし。

「俺、酒癖悪いんだよね。」

「え?マジ?帰ろうかな。」

「冗談だから!多分強いよ俺。
だから帰るとか言わないで。」

急いでバックを持とうとした、
あたしの右手を掴む。

「離れないで。」
そう言って手をギュッと握った。

なんだろ?
真っ直ぐすぎて苦しくなる。

「帰らない!酔い潰れたらよろしくね?」

そう言い手を離そうとするけど離れない。
無理矢理ほどき両手でビールを飲んだ。

あ。家に行くってそういう事?

今さらそんな事に気付く。

どうしよう。って今さら思っても遅いか。
あたしだってわかってたよね。


「凛ちゃん大丈夫!
襲ったりキスしたりしないよ?」

あたしが思っていた事がわかったのか、優しく微笑みながらこっちを見ていた。

「なんかごめん。」

そう言うと頭をポンポンと撫でた。

あたしはポンポンが嫌い。
触らないでと鳥肌がたってしまう。


「優くん。あたし頭ポンポン嫌い。」

「マジで?ごめん。
女の子の鉄板かと思ってた。」

そう言って手を急いでどけた。