「ここのゲーセンなんなの?
あり得ない位うるさかったね。
もー耳痛いよ!」

出てきたあたしは優くんの手を離し、
両耳に手をあてた。

「やべえね!」
そう言いながら優くんは笑っている。

車に乗り、
プリクラ見せてと言っても、
なかなか見せてくれない。
あたしの顔がそんなヤバいのかと思い、
「早く見せてよ!」と何故か怒る。

怒るあたしに笑い、
そっと優くんが渡す。

ん?え?

プリクラの1枚には、
凛ちゃん大好き
そう書いてあった。

バカ!と言い放ち窓の方を向く。

「怒んないでよ〜。
最近言うの我慢してたんだから許して。」

形に残るなら、
言ってもらった方が全然いい。

優くんと呼び頬に手を置く。
え?と驚く優くんの頬をギュッとつまみ、
「バカ。」
そう言って手を離した。

離した手を優くんが掴み、
あたしは優くんの胸に引き寄せられた。

やめて。
そう言うと反対に強く抱きしめてきた。


「よかった。もー消えてるね。」

首すじにあったマークは消えていた。
そりゃそうだ。
二ヶ月も経ったんだから。

「よくないよ!
凛ちゃんが感じられなくなった。」

「そんなので感じないでよ。」

そう言いながら優くんから離れた。

ヤバい。ドキドキしてしまった。

「優くんの家に出発ー!」

ドキドキを隠す様に、明るく言った。

あたしがドキドキしたのか、
優くんからドキドキが伝わってきたのか、
どっちかわからないけど、
ものすごくドキドキと大きな音だった。

あたしのドキドキだったら、
優くんに聞こえたかな。
それならものすごく恥ずかしい。

そう思いながらも、
あたしじゃないと言い聞かせ、
いつも以上に話した。
そんなあたしを優くんは、
笑いながら聞いてくれていた。



この時ね?
あたしは優くんを、
男として意識してたんだよね。
二ヶ月の間に、
メールしかしてないのに、
何が変わったんだろ。
そう思いながら、
あなたを見つめては目を逸らしてたよ。

いや、違う。きっと違う。そう思ってた。