「こんばんは〜!」

「優さん凛さんいらっしゃいませ〜。」

挨拶されただけで、
あたしはギュッと手を握ってしまった。

「ラブラブで羨ましいっす!
デートいいな〜。優さんいいな〜。」

「凛ちゃんは俺のだからダメだよ!」

そういう意味じゃねーだろ。
1人心の中で優くんに突っ込む。

「優さん本当に好きなんですね。」

そう言いあたしを見る店員さん。
とりあえずニコッとしてみる。

「あんま見るなよ!
席いつものとこ空いてる?」

あたしの前に立ち話しだした。

そんなあたしの事好きなの?
可笑しくなり1人笑いをこらえる。

手を離し腕を絡めてみる。

やめて!
そう恥ずかしそうに言い、こっちを見る。

お返しだ!と満足気なあたし。

「席行くよ〜!」
そう言い冗談であたしの腰に、
手を回そうとした。
その手をキャッチし、
あたし達は席に向かった。
今日は周りにいるカップルを、
一度も見る事がなかった。

席につくと、
「凛ちゃん俺幸せ。」そう耳打ちした。

周りに店員さんがいない事を確認し、

演技ですから!と笑った。

それでも幸せと微笑みながら言った。

ちょっと!あたしどーした?
笑うとこじゃなくない?
ふりをしてるんだよ!

ハッと我に返って顔を両手で押さえた。