【キスマークついてるんですけど。
俺のものって事ですかー?】
ごめんねと思っていながらも、
嫌味なメールを送った。
《俺にもついてますから〜。
あたしのものって事ですかー?
俺は本気だと言う証を残しただけです。》
え?嘘!!
あたしも付けたの?
いや、あたしはキスマークが嫌い。
あたしのものだと、
押し付けがましく言っているのと、
同じ事だと思ってるから。
しかも彼氏でもない人になんて、
付ける事はありえない。はず。
【嘘でしょ?
あたしはつけてません。
今まで誰にも付けたことないもん。
嘘つきは嫌われますよー。】
絶対つけてない!そう思ったから入れた。
《凛ちゃんサイテー!なんて嘘》
このメールと一緒に、
画像が添付されてきた。
見たあたしは開いた口が塞がらなかった。
優くんの鎖骨の上、
いや、首筋くらいに、
くっきりと赤くついていた。
いや、嘘でしょ?いつ?え?あたし?
全く覚えてないあたしは、
自分じゃないとさえ思った。
はい、サイテー。
【あの、その、あたし?
いつ吸っちゃったんだろう。ごめんね。】
夢中で優くんを求めてつけたんだよね?
そう思うだけで恥ずかしい。
《凛ちゃんとしかしてません!
俺が吸ってって頼んだの!
覚えてないの?ギャグですか?》
【本気で聞きました。
優くん求めすぎて覚えてないみたい。
見えそうな位置にすいません。
誤解されたらごめんね。】
自分が送ったメールを見て、ゾッとした。
《俺が付けてって頼んだの!
凛ちゃん必死に吸ってくれて嬉しかったのにな。
見えてもいーの。
誤解されても何の問題もないし!
俺ね?こんな幸せなの初めてだった。》
そうだった。
苦しい顔しながらお願いしてる優くんに、
イヤだと言いながらも、
自分を見失って女になったんだった。
あたしのものだよ。
そんな事を思う事なく、
なんの感情もなく付けたんだった。
優くんに抱かれて、
自分を見失いそうだったとか、
そんな事言ってたけど、
間違いなく見失ったんだ。
優しく触れられ、快楽を得て、
あたしはこんな事したんだ。