情事が終わった後、
「凛ちゃん大好きだよ。」
そう髪を撫でながら優しく言った。

あたしは余韻にひたってる場合じゃない。


あたしの頭にある優くんの手を持ち、
「優くんごめんね。」
そう言って手を離した。

「凛ちゃん軽い女だと思われ様として、
俺をその気にさせたよね?

でもね?
実際は軽くないって俺知ってたよ?

結衣ちゃんが俺に、
凛は遊ぶ子じゃない。
軽い気持ちで近寄ったりしないで!
って昨日言ったから。

俺は知ってたくせに、凛ちゃんを抱いた。
でも謝らない。だって好きだから。

凛ちゃん悲しんでたから。

けど、もう会わないとか言わないで。」

言おうと思ってた事を先に言われた。
やっぱりバレてたのか。
でもここまでしといて、
また会うなんて無理。
自分のした事がただ恥ずかしい。
あたしは悲しんでなんかない!


「待って!
あたしは遊んでなくても軽い女なの。
優くんの事、
本当に何とも思ってない。
諦めて。
そう思って1番良くない選択を、
平気で出来る女なの。
好きじゃなくても本当に出来るの。

しかも、彼氏と別れたその日に。
前に進もうと思ってたはずなのに。
それなのに、感じてたの。

優くんだって嫌でしょ?
あたしは優くんとすぐに寝たんだよ?

これからも、
知らない誰かに好きだと言われ、
その人と平気でするんだよ?
最低な事して傷付けるの。

だから、
もう会えないよ。いや、会わない。
好きになられても迷惑。」

本当にあたしは軽い。
諦めてくれと願い自分の身体を許す。
そんな事してはいけない事だと、
誰もがわかること。
誰も傷付かない方法は、
たくさんあるはずなのに、
わざとお互いが傷付く方法を選んだ。

優くんがイケメンだから?
いや、違う。
どんな容姿だろうと、
あんな事言われたら、
迷う事なく同じ事をするだろう。

前に進むとか言ってたけど、
あたしはどこへ進んでしまったんだろう。
何をしてるんだろう。
好きな人としてるわけではないのに、
なんで、温かい気持ちになったんだろ。
なんで、もっとと欲してしまったの。

自分が怖くなる。
愛されてると感じた事が嫌になる。