「卒業してからは、
凛ちゃんに会う事なくなって、
俺も告白されれば付き合った。
好きじゃなくても付き合ってみてた。
けどね?
凛ちゃんより好きになれる女には、
出会えなかった。

凛ちゃんと話したこともないくせに、
なんでかはわからない。
話せなくて、
見てただけだったからかもしれないけど。

あのマンションに越してきたその日に、
凛ちゃんが前の道を歩いてる所を見た。

可愛いかった凛ちゃんは、
大人になって綺麗になってた。

だけど、笑ってなかった。
別人の様だった。
話しかけようと何度も思ったけど、
俺は友達でもなんでもない。
一度も話したこともなかったから、
話しかける事も出来ずにずっといた。

夜、俺は窓から外を見るのが、
日課になった。
空を見ながら悲しい顔をして、
いつも歩いてた。

昨日やっとその事を剛に話したら、
ストーカーだとキモがられて。
自分でもそう思ったよ。
けどね?
その時、
ちょうど居酒屋に入ってく2人を見た。

俺は凛ちゃんと友達になりたくて、
あの居酒屋に入った。
いつ声をかけようかと、
タイミング計ってたけど、
凛ちゃんが泣き出して、
どうしていいかわからず、
ものすごく変なタイミングで、
偶然を装って声をかけた。
もの凄い嫌がられてるのわかったけど、
どうしても友達になりたくて。

悲しい顔してる凛ちゃん見てると苦しくて
過去と比べてまた苦しくなった。

付き合ってって言ったのは、
軽い気持ちじゃなく本気で言ってた。

友達になれるだけで良かったのに、
傷付いてる凛ちゃんを、
見ていたくなかった。
結果、ものすごい嫌われた。
けど海に行って友達になってくれて、
本当に嬉しかった。
友達でいいと思ってたのに、
話した途端気持ちが止められなくなった。
今日も凛ちゃんが隣にいるのが嬉しくて、
俺はずっと凛ちゃんの寝顔見てた。
でも何もしてないよ。
送った時も、
こんな近くに住んでるとは思わなくて、
運命だと思った。

さっきも、あんな嘘つかせてごめん。
人を悲しませる嘘はつかないって、
凛ちゃん言ってくれたのに。
本当にごめん。
付き合ってもないのに、
彼女のふりさせてごめん。
振りをしてくれてる凛ちゃん、
ものすごく嫌そうなのに、
俺はただ嬉しかった。最低でしょ?

話してから、俺は止まらなくなってた。

5年前、凛ちゃんが好きだった俺は、
今も同じ気持ちで、
凛ちゃんの気持ちなんて考えられない程、自己中に振る舞ってたね。ごめん。

凛ちゃん、
俺は凛ちゃんが大好きです。」