大きなため息をつきあたしを見る。

「本当は、
もっと後に言うつもりだったけど、
凛ちゃんに話すね。
けど気持ち悪いって思っても、
言わないで最後まで聞いて。」

黙ったまま頷く。

「俺ね?
高校生の時、
凛ちゃんと話したことなんてない。
いつも彼氏と手を繋ぎ、
幸せそうに笑ってる凛ちゃんを
ただ見てただけ。
剛に、
凛ちゃんと友達になりたいって言ったら、
彼氏がいるから、
友達にもなれないと言われて、
ただ見てるだけだった。

けど俺は凛ちゃんが好きだった。
見れるだけで幸せだった。
笑ってる顔を見れるだけで良かった。
だから、
最低だけど、
凛ちゃんと同じ高校の子に、
告白されたから付き合った。

この子が凛ちゃんだったらなって、
何回も思った。

けど、凛ちゃんは、
いつ見ても彼氏と一緒にいた。
幸せそうな凛ちゃんを見る度に、
今度は苦しくなって俺は彼女と別れた。」

ゆっくりと、
あたしをしっかり見ながら言う優くんを、
途中から見る事が出来なくなって、
下を向いて聞いていた。
聞きたくない。