「空が好きなの?」
「好きなのか癖なのか。
よく夜空を見てるかも。
ねえ優くん。話って何?」
空を見たまま尋ねる。
「凛ちゃんごめん。
今日は本当にごめんね。
何から謝ったらいいのか、、、。」
「何が本当なの?それとも全部、嘘?」
優くんが何か言いかけたけど、
それより先にあたしが聞く。
「俺が嘘ついたのは、昨日です。」
「は?今日優くんが言った言葉に、
ひとつも嘘はないって事?」
「凛ちゃんには嘘ついてないよ。」
なんだろう。
もどかしいというか、まどろっこしい。
「意味わからないよ。
あたしは理解出来てない。
ちゃんとわかるように話して。
優くんは何を嘘ついたの?」
昨日の嘘はどれなの?
何が嘘だったの?
今日言った事に嘘はないって、
そんなわけないでしょ。
「優くんの事なんとも思ってないから、
何を言われてもなんとも思わない。
だから本当の事話してよ。」
話そうとしない優くんに苛立ち、
言ったこの言葉を切り札に、
あたしはあなたの事を知る事になる。