「着いたよ。降りて。」

その声で我に返った。
降りてってなんだよ!
と思いながらも無言で頷く。
え?昨日来た海?違うとこ?
車から降りると波の音が聞こえた。

スタスタ歩く優くんの後ろを歩く。

「どこまで歩くの?」

歩くペースも早く、
ヒールではついていけなくなったあたしは立ち止まる。

「あ、ごめん。この辺に座る?」

なんだろう。なんか怖い。

言われた通り素直に座ってみる。
少し離れたところに優くんも座った。

変な事言われません様に。

そう願いながら空を見る。
一面に広がる星がキラキラ光り、
その光をただ見つめていた。