「え?」
そう言いあたしの方を向く日菜子ちゃん。

「ごめん。優くんが最低って事。」

そう日菜子ちゃんに小さな声で言う。


「優さん本当に好きでした。
振られたくせに、
毎日連絡してすいませんでした。
メールしても返ってくるから、
あたしは期待しちゃってました。
今までずっと、
嫌な事したり、言ったと思います。
本当にすいませんでした。」

日菜子ちゃんは、
あたしの手はまだ握ったままだけど、
いい顔をしてた。

「仲直りって事でいーよね?」

わけのわからない事を言うあたし。

「凛さんすいませんでした。
怒ったりしないで聞いてくれて、
ありがとうございました。
優さんの事諦めます。」

そう言って笑った後
あたしから手をそっと離した。

「日菜子ちゃんは、
素直に気持ち言えるいい子なんだね。
ごめんね。」

謝るあたしを不思議な顔しながらも、

「あたし凛さん素敵だと思います。
優さんが好きになったの、
わかる気がします。
もう二度と連絡しません。」

日菜子ちゃんごめん。
あたしが素敵に見えたなら、
それは優くんを好きじゃないから。
彼氏じゃないから。
彼氏だったら、もっと怒り、
罵声を浴びせてたかもしれないよ。

何とも思ってないから、
日菜子ちゃんに嘘ついてるから。
ごめんなさい。

嘘をついてた自分が嫌になる。

優くんはもっと嫌だ。