「日菜子ちゃんごめん。
俺は凛ちゃんが好きだから、
日菜子ちゃんとは付き合えない。
前に告白された時、
ものすごく嬉しかった。
けど俺はすでにその時、
凛ちゃんに片思いしてた。
傷付けちゃいけないと思って、
毎日くるメールも電話も、
嫌だと言えなかった。
期待もたせてたならすいません。
俺は凛ちゃんが好き。
凛ちゃん以外を好きになることはない。
ごめんなさい。」

そう言い頭を下げる。

日菜子ちゃんは両手であたしの手を、
ギュっと強く握ったまま、
ずっと下をむいたまま聞いていた。

これだけ何回も言われれば、
鈍感なあたしでも気付く。
優くんはあたしを知っていたんだ。
昨日久しぶりに、
あたしを見かけたわけじゃないんだ。

「最低。」

そう優くんに言ったのは、
背中を向けてるあたしだった。