2人の間に何故かあたしがいる。
なんなのこの状況。
何この繋がってる手は。
「まさかと思うけど、
あたしにここにいろって、
事じゃないよね?」
日菜子ちゃんに言うと、
「彼女さんの前でけじめつけます。
お願いです。ここにいて下さい。」
今にも泣き出しそう。
「じゃあ日菜子ちゃん笑って?
そしたらここにいるから。」
なんでこんな事を言ったんだろ。
日菜子ちゃんはあたしに向かい
ニッとはにかみながら笑った。
素直に笑う日菜子ちゃんが、
可愛くて羨ましく思った。
その笑顔を見た後、優くんを睨む。
「優くんちゃんと向き合いなよ。
何も言わないから期待しちゃうでしょ?
言えない気持ちもわかるけど。
傷付けたくない気持ちわかるけど。
思いがない限りどうやっても傷付くよ。
付き合う気あるの?
本当の気持ちはどこなこ?
日菜子ちゃんが好きなの?
ちゃんと言わなきゃわからないよ。
嘘つく人は嫌い。
男らしくない人は好きじゃない。」
あ。あたしと同じだ。
偉そうに言った後に気付く。
2人で話せと言いながら
優くんに説教するあたしは何?
自分と優くんがかぶって見えた。
日菜子ちゃんが、
さっきの廉と同じ顔をしていた。
苦しくなってくる。
あたしが一番傷付けてたくせに。
一番酷いのはあたしなのに。