「え?」

アルテミアの変身拒否に、僕は驚いた。


「こんな害虫。やるのは、簡単よ」

ミミズは、軽く僕の三倍はある。

「手を前に出して、炎をイメージするの。相手が、丸焼きになってる姿を」

「えええ!」

「とにかく、やれ!」

ミミズは巨大な口を開け、

頭上から、襲いかかってくる。

「うざい!さっさと、やれ!」

僕は思わず、目をつぶりながら、

手のひらを広げ、

叫んだ。

「燃えろ!」

その瞬間、

ミミズの全身が、炎に包まれた。


「ひいい」

腰がひけて、無意識に指を曲げると、

炎が、縄みたいになり、

ミミズの全身に、絡みつき、

恐怖からか…ぎゅと握りしめると、

ソーセージのように、細切れに切れた。


「へぇ〜。これが、あんたの基本形か」


僕の手から、伸びる…炎の鞭。


「あんたが、イメージした力の形」


後で考えれば、

この前戦った、バイの鞭のイメージが、残っていたのだろう。

僕は、自分の手から伸びる炎の鞭を見た。


(ポイント、ゲット。10ポイント)


そう…。

この時から、僕の戦いは始まったのだ。