朝。

目覚めた時…僕は、泣いていた。

涙に驚きながらも、

アルテミアの戦う理由が、分かったような気がした。

彼女の悲しみが、心の底から伝わってきた。

朝の心地よい日差しの中、

僕はベットの横の窓を開け、

まだ慣れない日差しに目を細めながら、外を眺めた。

平和な街並みが見える。

(幸せなんだ)

つくづく、そう思った。

学生服に着替え、リビングにいくと、

両親と妹がいる。

いつもの朝の光景。

ふっと、

隣の部屋にある仏壇に、目がいった。

お婆ちゃんの言葉が、

思い出された。



まだ小さかった僕に、お婆ちゃんはよく言っていた。

誰も、死にに行かなくていい…。

住む家も、ご飯もある。

今の暮らしは、幸せだと。

もし、

昔みたいに、なることがあるなら…

今度は死んでも、

この国と戦うと。

大切な人が、死ぬんだったら。

お婆ちゃんは、戦争で、

お爺さんも、兄弟も亡くしていた。

(お前も…大切な人の為に、戦わなきゃならない時が来る。

その時は…大切な人は、絶対守らなくちゃいけないよ)


僕は仏壇に手を合わせ、決心した。