「畜生!」

アルテミアはもう一度、回転して蹴りを放つ。

それに合わせて、アマテラスも蹴りを放つ。

二人の足が交差し、擦り抜けたアマテラスの蹴りだけが、アルテミアに当たった。

アルテミアは、吹き飛んだ。地面を滑るアルテミアの向かうに、またアマテラスがいた。

爪先で、アルテミアの頭を止めると、無理やり髪の毛を掴み、腹にパンチを何度も叩き込む。

「ぐぇ!」

アルテミアの口から、鮮血が飛び散った。

アマテラスは、アルテミアの髪の毛を離すと、崩れ落ちるアルテミアの顔面に、膝を叩き込んだ。

アルテミアは、えびぞりになりながら、また背中から地面に、落ちた。

今度は、滑るアルテミアを無視して、アマテラスは自分の腹にある口を擦った。

「ティアナ…今から、あんたの娘が死ぬわ…。あんたと同じように、何もできずにね」

アルテミアは、腕に力を込め、何とか立ち上がろうとしたが、予想以上にダメージはすごく、なかなか立ち上がれない。

そんなアルテミアを、せせら笑いアマテラスは、腕を組んで、アルテミアの様子を眺める。

「アルテミア…本来ならば、あんたなんかが、産まれてくるはずがなかった。あたしと、ネーナ、マリー…その3人こそが、魔王の意志のもと、あらゆる魔物を支配する存在だったはず」

アマテラスは、アルテミアに近づき、上半身を上げたアルテミアを足で、また倒した。

「そのはずが!あの女!ティアナが、魔王と出会ったことで」

アマテラスの顔が、鬼のような形相になり、アルテミアを何度も蹴りだした。

「あんたが産まれ!魔王の妻となるはずだったあたしが、魔王の影としてしか、存在できなくなった!」

アマテラスは、アルテミアの髪を掴み、無理やり立ち上がらせると、力任せに投げ飛ばした。

「だから、お母様を殺したのか」

アルテミアは、空中で膝を抱え、回転すると、見事に着地した。

「ハハハハ!」

アマテラスは、腹を抱えて笑った。