アルテミアは右手を突き出し、指を曲げて、かかってこいと合図する。

バイの鞭が、アルテミアの右手に絡みついた。

「死ね!」

鞭に、電流が流れる。

「忘れたのか」

アルテミアの体に、電気が通る。

しかし、アルテミアは平然と鞭を掴むと、

片手だけで引っ張り……そのまま軽々と、バイを放り投げだ。

バイを振り回し、木々をなぎ倒し、

アルテミアは、一本背負いのように、バイを地面に叩きつけた。

「あたしに、電気は効かない」

そう言うと、絡み付いた鞭を引きちぎり、

地面にめり込んだバイに、ゆっくりと近寄っていく。

「チェンジ・ザ・ハートは、どこだ?」

「言うかよ」

バイは、よろけながらも立ち上がり、

「折角…お前を釣る為に、用意した餌だ」

バイの義手が、また変化する。

今度は、巨大なナイフになる。


「そう簡単に、渡すものか!」

バイは、アルテミアに襲いかかる。

「そうか…」

アルテミアは、突っ立ったまま動かない。

ナイフが、頭に振り落とされる瞬間、

森を切り裂いて、

どこからか、2つの物体が、飛んできた。


1つは、ナイフの切っ先を受け止め、

もう1つは、ナイフを側面から、切り裂いた。

「なんだ?」

唖然とするバイに、

アルテミアは笑いかけた。