マシュマロ森。

その名の如く、あらゆる木々が、お菓子でできた夢の森。

昔、お菓子職人でもあった魔法使いが、趣味で作ったいうこの森は、

1つ1つにリサイクル魔法がかけられており、どんなに食べられても再生する。

だけど、その木々に宿った虫たちは、すぐに吸収され、

お菓子に変えられる。

長いこと触っていると、

人もお菓子になってしまう。

ある意味、危険な森だった。

お菓子の誘惑に負けて、

迷い込んだ者は、お菓子にされるか、

狼男に喰われるか、

どっちかだった。

カラクリ義手のバイの一味は、この森を根城にし、狩りを楽しんでいた。

僕をさらったのは、三人組の狼男だった。

森の中央にある木々を切り倒して作った広場に、無造作に僕は捨てられると、

三人は馬から降った。

「さて…そのまま、頭から喰おうか…」

「お菓子にしょうか…」

「半分に裂いて、別々に楽しもうか」

そして、涎を垂らしながら、僕に近づいてくる。

恐怖で震える僕の耳元で、ピアスが叫んだ。

「モード・チェンジだ!」