昼休みのチャイムとともに、

里緒菜や直樹たちが、屋上に向かう姿が確認できた。

大体、いつも屋上に行っている。

雨でもないかぎりは。

そのことは、毎日確認していた。

後は、いつ動くかだ。

教科書を閉じ…優は、徐に席を立った。

もう賽は投げた。

あたしは、傍観者ではない。

(近づけるわ…あの人に)

優は、ゆっくりと教室を出た。

行き先はわかっている。

急ぐことはない。

胸の鼓動を抑えながら、屋上に向かった。