満面の笑みで、

「昔…キャバクラで働いてらしいですね…先生の奥さん。いいんですか?教師の妻が…」

淳のねちっこい笑みに、吐き気をもよおしながら、

それを我慢して、ゆうは微笑んだ。

「何の問題も、あるとは思いませんが」

「開き直りですか!?」

淳は大袈裟にのけぞり、

「確かに、キャバクラっていうのは、有名になりましたが…まだ、私たちより、上の世代には…」

ゆうに顔を近づけ、

「ただの水商売…普通の仕事じゃない…汚れています」

「偏見だ」

「偏見ねえ〜。聖職者の妻が…ククク」

淳は笑いながら、

歩き出した。

そして、振り返ると、深々と頭を下げ、

「勉強になりました」

また笑いながら、廊下を消えていった。

ゆうは拳を握りしめ、怒りを鎮めていた。