香里奈は訝しげに、男の子の見つめた。

知った顔だ…。

同じ学校だと思うけど…

話したことはないし、

名前も知らない。

「こんな時間に、家まで押しかけて、非常識なのは、わかってるんだけど…」

頭を一度下げてから、男の子は、鞄の中をガサガサと、何かを探し出した。

「携帯も、メルアドも知らないけど…速水さん家は、有名だから…直接来ました」

男の子の表情が、明るくなった。

やっと、見つけたみたいだ。
さらに、笑顔になり、

男の子は、手紙を香里奈に差し出した。

「いきなりだけど…」

今度は、顔を真っ赤にして、男の子は言った。

「好きです。付き合って下さい」



「え」

香里奈は目が、点になった。