「あいつらを捕まえて!」

ティアが叫ぶ。

ジャックが、控え室に入ってくる。

「何があった?会場が、パニックになっているぞ」

「そんなのは、KKが吹けば収まるわ!」

ジャックは肩をすくめ、

「吹いたらな…」

ティアはステージを見た。

KKがいない。

驚くティア。

「もうサックスを持って…向こうから、降りたぜ」



ガードマンの一人が、控え室に入ってきて、

「駄目です!観客が、そこら中で暴れていて、捕まえることができません」

ティアは、そこに置いてあった機材を蹴飛ばすと、

ジャックの方を向いて、

「まあいいわ…」

ティアは、観客席を見た。

暴動に近い。

「不審者を簡単にいれ…このようなパニックになったのは、会場のセキュリティーに問題があった…と発表して」

ティアは、観客席を見つめながら、

「まあ…いいわ」

ジャックは隣に立ち、

「いいのか?」

ティアは笑い、

「こんな素敵なものを見れたんだから…」

ジャックは、肩をすくめた。
「素敵ね…」

「できれば、みんな壊してほしいわ」

ティアはしばらく、パニック状態の観客を眺めていた。