後ろから声がした気がして、ばっと振り返った
「……誰ですか?」
「えぇ〜?私は医務室のセンセーの明希よぉ!」
声の持ち主は、胸元の空いた服でベットに横たわった女教員だった
「あ、いや。友達を探してて…もう出ますね。」
そう言ってニッコリと笑った
僕は、スタコラと逃げようとした瞬間、急に腕が重くなった
明希が、樹の腕をしっかりと掴んでいた
「…先生…?」
明希は、ベットのカーテンを締める
「あなたは……確か麒麟の樹君でしょ。」
そう言って僕の体に腕をまわし、僕の顔を見て怪しげに微笑む
…この人、何か知ってるのかな?
薬品の匂いが再び僕の鼻をくすぐる
「あぁ、私はね、索冥よ。 麒麟さん。」