先輩は、フェンスに足を引っ掛けた



「少し落ち着いた?」



楓はコクリと頷いた




「何が聞きたいことある?」




そういってまた先輩は微笑んだ




聞きたいこと…




「あの、きりんってなんですか?」




屋上にある給水タンクの音が微かに聞こえてくる





「麒麟は、神話に出てくる霊獣のことなんだけど…」