しかし、さっき朝食を中断してきた所為で今日の予定を聞き損ねた。
「アルフリード、今日の予定は」
「本日はヴィソック皇国に向けて出発いたします。1時間後の予定ですので、もう準備は整っているかと」
ヴソック皇国か。長い間内戦状態にあると聞いていたが、やっと停戦したか。
「ただ、」
珍しくアルフリードが真剣な表情をする。
「ヴィソック皇国は現在、反政府軍と停戦中となっていますが何が起こるかわかりません。そのため、今回は私とリルネイン様のみで出発いたします」
ヴィソック皇国は私が生まれるよりも前、もう20年近く内戦を続けている。
まったく、どれだけ長い喧嘩をしているのか。
それだけ経てば最早戦いを始めた理由もわかるまい。
「構わん、もうそろそろいいだろう。
行くぞ、アルフリード」
私はアルフリードを連れ、城を後にした。