「女はおとなしくしているのか」


「はい、術を施しているので奴らには手出しは出来ないはず」


「そうか…フッ…アッハハハハハハハ。これでこの世界も我の物って訳だな」


「そうなりますね、陛下。しかし油断は出来ません。女が、生きている限り奴らはなんとしてでも狙ってくるでしょう」


「なら何故生かしているのだ!さっさと殺してしまえばいいものを!」


自室のソファにふんぞり返りなが葉巻に火をつけた。


「カイール、お前の考えはいつも読めん。命令だ!女を殺せ」


煙を目の前にいるカイールに吹きかける。


そんな煙もなんてことなく受け止めたカイールはため息をついた。


「陛下、女はまだまだ使えます。奴らへの脅し、いや、人質です。殺すのはそれからでも遅くありません。それに殺さずともこのままでは早かれ遅かれ死に至りましょう」


ニャっと笑うカイールに陛下と呼ばれた男は寒気を覚えた。


こいつは危険だ!


何度も汽笛音はなるが、優秀な右腕。


今殺すのは惜しい。もう少し小奴を使ってから消すか…