食事は一日に一回運ばれる。


と言っても扉が開く訳じゃない。扉の下に小さな窓があってそこから決まった時間に置かれるだけ。


ユックリと堅くなってしまったパンを咀嚼する。


ピッチャーに入ってる水で流し込み、無理に食べる。


まだここで負けるわけにいかないから食べる。


時間が分からなくても窓からの光だけを頼りに就寝に付く。


起きてる間はひたすら自分と戦った。


負けてしまわないように。


泣かないように。


けど、涙はいつの間にか枯れてしまった。久しぶりに流した涙。


「涙って暖かいのね…」


ここに来てから寒さも暑さも特別感じたことはなかった。


私を生かすために施された場所。